こんにちは、歯科衛生士の秋吉です。

　お子さんに歯が生え始めると、いろんなものが食べれるようになって食事の楽しみも増えてきます。ですがそれと同時にむし歯の心配も出てくると思います。

今回は、歯を守るためにお家で出来る仕上げ磨きについてお話しします。

　仕上げ磨きとは、言葉の通りお子さんが自分で磨いた後に仕上げとして、お母さんお父さんが磨いてあげることを言います。簡単そうに聞こえますが、嫌がったり泣いたり暴れたりお子さんの機嫌によってはなかなか難しいと思います。

 

歯磨きを嫌がるのにはいくつかの原因があります。例えば、、、

・知らないもの（歯ブラシ）が口に入ってきた！

・不快！

・怖い！

・無理やり口を開けられた！

 

乳児期

赤ちゃんのお口はとても敏感です。そこへ知らないものがいきなり入ってくると特に敏感になって抵抗してしまいます。赤ちゃんは触ったり、舌で舐めたりしゃぶったり、そうすることで異物を認識して納得しています。歯ブラシをお口に使うものと納得してもらうことが大切です。

対策

1.スキンシップ

お口の周りに指で触れたり、お口の中をのぞかせてもらったりするスキンシップから始めましょう。

 

2.驚かせない

いきなり歯ブラシを入れるとびっくりして嫌がります。ちょんちょんと軽く触れる程度で警戒心を解きましょう。

 

3.遊び感覚で

赤ちゃんの機嫌がいい時に歌や音楽を流したり、楽しい雰囲気づくりを。

 

4.興味を引き出して

兄弟やお父さんお母さんが歯磨きをしているところを見せて興味を持たせることも効果的。

 

 

 

 

 

いやいや期

この頃の子供たちは成長して自我が芽生えてきます。自分の意思をはっきり言えるようになって

歯みがきだけではなく、ごはんもイヤ！着替えもイヤ！自由に遊べない、動けないのもイヤ！と子供たちの気持ちもあるでしょう。まずは歯磨きが楽しいと思ってもらうことから始めましょう。

対策

1.動画や歌で楽しく

楽しい雰囲気で仕上げ磨きをしましょう。「おかあさんといっしょ」などのテレビで流れる音楽や歯磨きソングなど、お子さんのお気に入りを探してみましょう。

 

2.いろんな味の歯みがき粉で

子供向けの歯磨き粉にはイチゴやグレープなどいろんな味があります。「今日は何味にする？」と選べる楽しみを作ってみるのもいいかもしれませんね。

 

3.磨く係を交替

いつもお母さんが磨いているなら、お父さんへ。普段やり慣れてない分優しくはみがきしてくれるかもしれません。お子さんとのスキンシップの時間にも。

 

4.たまにはお休みの日も

歯磨きはとても大切です。できなかった時は「明日は必ずしようね。」と約束をしてお休みしましょう。

 

磨く側の注意点！

・磨く時は笑顔で

歯磨きをしないと！と必死になっている顔が怖いと思っているかも。せっかく音楽などで楽しい雰囲気を作っていても、磨く側が怖い顔をしているとお子さんも不安になります。無理をしてでも笑顔でいるほうが、気持ちの変化につながりやすいです。

・痛みに注意。

歯ブラシが当たっていたり、爪が伸びていて当たって痛い、といった経験があると歯磨きが嫌になってしまいます。お口を触る時注意してください。

 

 

仕上げ磨きの姿勢

仕上げ磨きをするときに大切なのは、姿勢を安定させることが大切です。姿勢が不安定だと歯ブラシが当たって痛みが出たり喉の方に入ってしまうと危険ですので注意しましょう。

ではどんな姿勢が良いのか。

お母さんが床に座ります。お子さんを膝の上にあおむけにして寝かせましょう。こうすることで指で頬や唇を排除して見やすくなります。また、どうしても体をバタバタして安定出来ない場合は両足で体を挟むようにすると抑えやすくなります。

 

仕上げ磨きのコツ

 1.上の歯

歯ブラシは歯に直角にあてる

唇と歯ぐきをつなぐ筋（小帯）に注意！歯ブラシが当たると痛くて嫌がる原因。

唇は指でよけます

 

2.下の前歯

上の歯と同様指で唇をよけます

 

3.噛み合わせ

頬を優しく引っ張って、視野を広げる

歯ブラシを当てて小刻みに動かします

 

4.奥歯の内側

歯ブラシに角度を付けて当てましょう。

 

5.奥歯の側面

お口は大きく開けず軽く開けてもらう

頬の筋肉が緩まって奥まで歯ブラシが入りやすくなります。

 

歯ブラシの選び方

子どもは歯ぐきが健康のため歯周ポケットケアに特化した毛が細いものよりも毛が密になったフラットタイプを選んで汚れをしっかり落としてあげましょう。硬さは標準Ｍサイズのものをおすすめします。子ども用の歯ブラシは柄が短く大人には持ちにくいので、柄が長い仕上げ磨き用をつかいましょう。

 

なるべく治療で痛い思いをしてほしくない、将来それがトラウマになって「歯医者に行きたくない！」というお子さんが増えないためにも、今から出来ることをして歯を守ってあげましょう。

 

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