妊娠と歯周病
2023/09/19
女性ホルモンと歯周病の関わりについて
こんにちは。歯科衛生士の松永です。今回は「女性ホルモン」と「歯周病」の
関わりについてお話したいと思います。
なかなか、この二つの言葉が結びつかない方もいらっしゃると思いますが、
このふたつはとても関わり深いです。
女性ホルモンの分泌量は一般的に20~30歳代前半にピークを迎え、その後低下し
45~54歳に閉経を迎えると欠乏します。これらの女性ホルモンの変動は、口腔内にも
影響すると言われており、思春期および妊娠期における女性ホルモンの産生亢進や
更年期における女性ホルモンの欠乏により、歯周病進行のリスクが高まります。
「月経周期」「妊娠期」「産後期」「更年期」に分けてお伝えします。
月経周期
日本人女性の月経周期は一般的に28~31日周期をいわれており
「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4期に分かれます。
女性ホルモンにおいては卵胞ホルモン(エストロゲン)が排卵日付近に増加、
エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)の両方が月経開始1週間前から
月経直前に増加します。
口腔内では、女性ホルモンの増加によりそれを栄養源とする歯周病原細菌(プレボテラ・インターメディア)が増殖、免疫低下も重なり、歯肉の炎症が起こりやすくなります。
それを「月経周期関連歯肉炎」といいます。
「妊娠期」
妊娠期には黄体ホルモンが約10倍、卵胞ホルモンが約30倍に増加、血中濃度と同様に唾液中の女性ホルモンも妊娠9ヶ月でピークに達します。
それに伴い歯周病原細菌も増殖、唾液の分泌量も減少するため「妊娠関連歯肉炎」を引き起こしやすく、妊婦の約35~75%で発症するといわれています。
歯周病に罹ったままだと歯周病原細菌が血流を介して子宮を刺激し早産・低体重児出産を引き起こす可能性があるため、できれば妊娠前に歯周病予防、および治療を行い、健康なお口を維持することが大切です。
「産後期」
出産後は子育て中心の生活になり、出産前のように自分ペースで生活できなくなる影響で
ブラッシングが疎かになる傾向にあります。また、女性ホルモンが急激に減少するため
マタニティブルーや産後うつになりやすく清掃状態が悪くなるケースが多いです。
「更年期」
健康な身体は、免疫、自律神経、ホルモンがうまく機能することで保たれています。
更年期では女性ホルモンの減少で免疫システムが変化し炎症物質が増加することで
歯肉の炎症も増加します。
また、卵胞ホルモン(エストロゲン)は骨芽細胞(骨を作る細胞)を活性化し、破骨細胞(骨を壊す細胞)を抑制しているため、エストロゲン欠乏により、破骨細胞を抑制できず、
歯を支えている骨の吸収を進行させてしまうとも言われています。
女性ホルモンの減少で自律神経が影響を受け、唾液の分泌が減り口腔乾燥を引き起こし、それに伴い歯周病やむし歯のリスクが増加、口臭の原因にもなります。
このように女性は年齢、女性ホルモンの変化によって歯周病のリスクが上がってしまいます。これからも上手に付き合っていくために次回はそれぞれの時期に合わせたケア方法をご紹介します。
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