こんにちは、院長の横田です。

皆様は、歯科治療でよく使われるコンポジットレジンという材料をご存知でしょうか。この材料は、以前から現在に至るまで、小さなむし歯を削った後に、埋める材料として主に保険適用治療に用いられてきました。

 

コンポジットレジンを言い換える言葉としてよく使用されているものに「プラスチック」

や「樹脂」などがあります。

しかし、実際はコンポジットレジンの組成の６０～８０パーセントがセラミックスで、残りがプラスチック成分なのです。

 

そして、この素材の良いところは、まずその柔らかさ（あえて柔らかいと言いましたが）。

歯と歯は噛み合い、日々すり減っております。その歯と嚙み合わせる素材はなるべく、歯の硬さに近いものが良いとは思いませんか？

つまり、やり替えは嫌だからと、耐久性、強度、丈夫さを求めて硬いものを選択すると、そのせいで歯が削られていく危険性もあるのです。

 

コンポジットレジンは適度に（歯の象牙質に近似して）柔らかいので、歯がすり減るのと同じようにすり減っていきます。それでよいと私は考えています。すり減ったり欠けたりすれば修理してあげればよいのですから。ご自身の歯が傷つくより、良いと思いませんか？

 

また、コンポジットレジンの良いところは、歯に対する接着力も挙げられます。

コンポジットレジンの歯に対する接着は、エナメル質（歯の最表層）と象牙質（歯の二番目の層）との接着よりも強いのです。つまり、きちんとした接着操作を行えば、そう簡単に取れることはありません、少なくともその接着界面では。

 

このような理由から、現在コンポジットレジン治療の適用範囲はどんどん広がっております。以前は行われていなかったような、大規模な修復もその良好な長期予後が報告されております。

私が、昨年から積極的に行っているダイレクトボンディング治療も、このコンポジットレジンの特性と、マイクロスコープの有用性を活かした治療方法です。

しかしもちろん全症例で可能というわけではなく、歯科技工士の方が製作する美しい形態や機能性が必要な場面も多々あります。

 

また、私は先月から、このコンポジットレジン修復の聖地静岡県浜松市の田代歯科医院で行われているセミナーに参加しております。約半年間、勉強し得たものを私の病院に通っていただいている皆様に還元できればと思っております。

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